「スイッチOTC」って?

2012年12月10日

「スイッチOTC」ってご存知でしょうか?

 OTC医薬品とは医師の処方せんがなくても、薬局で購入できる薬のことで、大衆薬とも言われています。もともと薬局のカウンター越しに手渡しされていたのでOTC(Over the counter)と名付けられました。総合感冒薬などが、それに当たります。
 最近、医薬の業界で議論になっているのが、「スイッチOTC」の問題。スイッチOTCとは、医療用医薬品(医師が病院等で処方する薬)のうち、長年の使用実績によって、比較的安全とみたされた薬をOTC化、つまり、薬局でも処方せんなしに買えるようにした薬のことをいいます。例えばガスター10や、ロキソニンSなど現在30種類以上存在します。
 今回、脂質異常症治療薬「エパデール」のスイッチOTC化が認められたことが議論となっております。高脂血症等の生活習慣病の薬が認可されたのは今回が初めてです。容易に生活習慣病に関わる医薬品を購入できるようになれば、医薬品を服用している安心感から、運動や食事に対する配慮がおろそかになり、結果として症状が悪化する可能性があります。また、セルフチェックシートに中性脂肪値を書き込み、薬剤師さんに提出し、購入する方法も問題視されております。
 生活習慣病は、その名の通り、検査値のみの問題ではなく、「1に運動、2に食事、しっかり禁煙、最後にクスリ」ともいわれております。正しい診断の後、食事、運動療法を十分指導された上、それを実践し、その上での正確な検査結果のもとで服用されれば問題はないかと思いますが、サプリメント感覚で服用されたり、安易に検査結果のみの判断で薬に走ることを危惧いたします。

中神クリニック
西神中央、西神南の整形外科
神戸市西区狩場台3-9-8