お姫様抱っこNG

2013年06月19日

 厚生労働省は18日、介護、福祉施設での腰痛を防止する指針を公表しました。高齢者介護など福祉現場で腰痛の労災が多発していることから今回指針の見直しとなったそうです。 

 新指針では、ベッドから車椅子に人を動かすといった「移乗介助」の際に、「お姫様抱っこ」のように人力で抱え上げることを原則として禁止し、リフト機器や体を滑らせるスライディングシートの活用を求めた。人力で抱え上げる場合は「身長差の少ない2人以上が適切な姿勢で作業する」とした。

 腰痛にとって、「お姫様抱っこ」が良くないのは、我々整形外科医のみならず現場のスタッフも当然わかっているはず。問題なのはそうせざるを得ない現場の状況。昼間はともかく、夜間など人手のない時など一人で移乗させざる得ない状況も多くありますし、リフト機器を備えた施設も多くはありません。その他待遇面も含め、介護現場の過酷な労働環境の改善の方が先のような気がしますが…。

介護現場:お姫様抱っこNG 腰痛防止、厚労省が指針  毎日新聞