Ice Bucket Challenge

2014年08月24日

 皆さんご無沙汰してます。このブログもついついサボって夏休みをいただいておりました。今年は年明けから診療所の移転や開院準備等で、突っ走ってきたせいか、少し夏バテ気味。夏休みは何をするということもなく、ゆっくり過ごさせていただき十分な充電ができました。

 さてさて、最近SNSやテレビで「ALS Ice Bucket Challenge」が話題となっておりますね。ALSとは、筋委縮性側索硬化症とういう難病で、その研究を支援するため、バケツに入った氷水を頭からかぶるか、または寄付をする運動のようです。有名人が行うこのようなパフォーマンスを伴った活動には常に賛否両論が伴います。このように賛否両論が議論されるぐらい話題になったこと自体この活動は十分成功なのでしょう。ALSが世の中に認知され、研究等の資金が集まること自体とても良いことだと思います。真冬に水をかぶって心臓発作等の犠牲者が出なければこの活動自体何の問題もないかと思います。

 しかし、難病はALSだけではありません。日本でも厚生労働省が指定するいわゆる難病(特定疾患)は130疾患にもおよびます。ALSはその1つに過ぎません。また共通して言えるのはこのような難病は世界的に患者数が少ないために民間の製薬会社による薬の開発が積極的に行われません。市場原理に従うとそれは当然のことで、莫大な開発費に見合った利益が期待できません。ですから、これらの疾患は国や、WHOといった公の機関や、税金で研究や治療を支援する必要があります。他の難病で困っておられる患者さんの気持ちを考えると、今回のようなIce Bucket ChallengeがALSに限った活動で、ALSのみの団体に寄付され潤うというだけで終わらせてしまったら少し残念です。

 このIce Bucket Challengeのような活動が一時的なブームで終わらず、永続的に続き、しかも難病全体の啓蒙や寄付活動に広がることが大切なことではないかと思います。