出産後骨粗鬆症って?

2012年05月23日

私にとって大学勤務時代の最後の雑誌投稿となった症例が、「整形・災害外科」という医学雑誌に掲載されました。「出産後骨粗鬆症」と言って、あまりなじみのある疾患ではありませんが、簡単に説明するとこんな感じです。

●妊娠・出産を通じて健康な女性でも3~10%ほど骨密度は低下し、授乳終了後数年かけてもとに戻ります。(ホルモン、授乳による影響。)

●何らかの基礎疾患(甲状腺疾患、膠原病、ステロイド内服者等)がある患者さんは、症状はないが、妊娠前から骨密度低下状態に。

●幸せ絶頂の出産後、さらに骨密度が低下し、若い女性なのに高齢者のごとく、腰の骨がいくつも潰れて骨折(脆弱性骨折)を起こし、痛くて歩行もできず入院。

っという恐ろしいお話です。こんなことを避けるために大切なことは、上記のような骨密度低下をきたす基礎疾患がある女性は、妊娠前に一度骨密度を計測しておくべきだということです。早期に発見できれば計画的に妊娠前の治療も可能で、このような骨折を回避できます。骨粗鬆症は高齢者のみの疾患とは限らないのです。

心配な方は一度ご相談ください。

中神クリニック
西神中央、西神ニュータウンの整形外科
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