道をひらく
2014年03月21日
3月といえば、別れと出会いの季節でもあります。今日は大学時代の親友の新たな門出を祝うため、東京へ行っていました。ようやく春らしく暖かくなり、快晴の青空でした。久しぶりに会う同級生もいました。卒業して、皆一斉に研修医になりそれぞれの専門へ。それから10年以上が経つと、医師としてそれぞれの道を歩み出す頃です。医療の第一線である大学病院で勤務する人、一般病院で勤務する人、研究に邁進する人、子育て中の人、私のように開業医をする人、病気を患う人。それを望んで選択する人、できない人、さまざまです。でも、それが「与えられた道」なのでしょう。
私の好きな、松下幸之助 「道をひらく」をご紹介いたします。
「道をひらく」
自分には自分に与えられた道がある。天与の尊い道がある。どんな道かは知らないが、ほかの人には歩めない。自分だけしか歩めない、二度と歩めぬかけがいのないこの道。広い時もある。せまい時もある。のぼりもあればくだりもある。坦々とした時もあれば、かきわけかきわけ汗する時もある。
この道が果たしてよいのか悪いのか、思案にあまる時もあろう。なぐさめを求めたくなる時もあろう。しかし、所詮はこの道しかないのではないか。
あきらめろと言うのではない。いま立っているこの道、いま歩んでいるこの道、ともかくもこの道を休まず歩むことである。自分だけしか歩めない大事な道ではないか。自分だけに与えられているかけがいのないこの道ではないか。
他人の道に心をうばわれ、思案にくれて立ちすくんでいても、道はすこしもひらけない。道をひらくためには、まず歩まねばならぬ。心を定め、懸命に歩まねばならぬ。
それがたとえ遠い道のように思えても、休まず歩む姿からは必ず新たな道がひらけてくる。深い喜びも生まれてくる。