「リリカ」の肝機能障害報道について

2014年09月23日

 先日、神経障害性疼痛治療薬「リリカ」の副作用について各紙大きく報道されておりました。

神経障害性の痛み治療薬「リリカ」に重い副作用 読売新聞

 「リリカ」は、2010年に販売を開始され、脊柱管狭窄症や椎間板ヘルニア、帯状疱疹後神経痛等の神経障害性疼痛に広く処方されるようになった薬です。当院でも多くの患者さんに処方しています。神経障害性疼痛薬物療法ガイドラインでも神経障害性疼痛に対して三環系抗うつ薬と並んで第一選択薬のお薬です。

 今回の報道では、販売開始から現在まで、190万人に処方され、11人の患者さんに肝機能障害や劇症肝炎が発症したとのこと。一般的に薬疹や肝機能障害を起こす可能性が全くない処方薬はありません。最近は、市販のサプリメント等でも肝機能障害が発生し、問題になっているぐらいです。今回のリリカの肝機能障害の発生頻度は、0.4%。これが、多いのか少ないか? 皆さんおなじみのロキソニンの消化性潰瘍発生頻度は添付文書上で、0.05%~1%未満です。また、白癬(水虫)治療に良く使われているテルビナフィン(ラミシール錠)は、比較的肝機能障害が出やすい薬ですが、この薬の添付文書上の肝機能障害の頻度は1.53%です。(いずれも添付文書上)

 副作用のない薬はないと言っても過言ではありません。薬を飲む有益性がリスクを上回れば通常薬は処方されます。大切なのは、リスクをできるだけ軽減することです。例えばロキソニンの消化性潰瘍の副作用対策としては粘膜保護薬や、胃酸分泌抑制剤を併用するのが常識ですし、ラミシール錠を処方した患者さんには定期的に血液検査で肝機能をチェックします。また、リスクの高い患者さんには処方をしません。リリカも、しっかりと副作用対策を行えば、有益な薬と考えます。

 今まで飲んでいる薬が突然、新聞の見出しで「重大な副作用」とか出れば、普通の方は動揺しますし、そんな怖い薬を飲まされているのかという感覚になります。一般市民に動揺や、不安をあおる情報の出し方にも問題があるのかと思いますが、このような報道を見て心配になられた患者さんは、現在服用されている薬を自己判断で中止せず、まずはかかりつけの医師に相談し、納得した上で内服を続けることが大切です。