話を聞く ~カタルシス効果~

2012年05月26日

 心の内にあるさまざまな不安、苦悩、怒りなどの感情を言葉にして表現すると、その苦痛が解消され、安堵感や安心感を得ることができます。このことを心理学で「カタルシス効果」、「心の浄化作用」と言います。

病気や慢性疼痛の患者さんを診ていると少なからず抑うつ、不安などの症状が生じて、心理的にもダメージを受けます。それは当然のことなんです。そんな患者さんは、病院では敬遠されがちなのも事実です。精神的な影響により、痛みや病状が緩和したり増強したりすることはよくあることです。

カタルシス効果とは、無意識の層に抑圧されている心のしこりを外部に表出することで、症状を消失させる効果であり、いわゆる「話して楽になった」ということです。

医師は、治療を施す以前に、まず、患者さんの話を十分聞くということが大切です。また、患者さんが自由に話しやすい雰囲気を作ることも大切です。限られた診察時間の中では現実的には困難なこともありますが、可能な限り「カタルシス効果」が得られるクリニックを目指したいものです。

当院で診察を受けた患者さんで、今日は「もっと話したかった」、「もっと説明を聞きたかった」などと思われた患者さんは遠慮なく声をかけて下さい。(かけにくかったら看護師さんでも。)混雑時でなかなかゆっくり話せない時でも改めて時間をとって必ず納得いくまでお話します。

中神クリニック
西神中央、西神ニュータウンの整形外科
神戸市西区狩場台3-9-8