医療と生活保護

2012年05月29日

最近、ワイドショーなどで問題になっている生活保護問題。
今や200万人が受けていると言われております。その総額3兆円以上…。

実は、その費用の半分が医療費(医療扶助)が占めているのをご存じですか?社会のセーフティーネットとして重要な制度ですが、近年の急増で、国(3/4負担)や地方自治体(1/4負担)の財政を圧迫しているのも事実。問題点は色々ありますね。

●患者側の問題
不正受給(薬を転売したり、実は他から収入があったり)、過剰受診(毎日意味なく受診)、高額医療や先進医療目的の生活保護申請など
●医療側の問題
過剰診療(どんどん検査)、診療報酬の不正受給(やってもない検査を請求)など
●行政の問題
保護者急増による生活保護現業員(ケースワーカー)不足、扶養義務チェックの甘さ

やはり、何をどんだけやっても全て「無料!」というが問題ですが、一部負担金によって受診できなくなっても困ります。生活保護を受けないいわゆるワーキングプア層と生活レベルの逆転現象も指摘されております。そもそもこの制度自体、今の時代にそぐわない患者側にも医療側にも「性善説」的な発想で作られています。生活保護は最低限度の生活を保障するとともに、その自立を助長することを目的としており、困った時には誰もが受給でき、早期に自立して生活保護を脱することが本来の趣旨であるはず。「職業は?」「生活保護です。」といった人が多い制度は問題です。本来受けるべき人のみが適正に受けられる制度になってほしいものです。

中神クリニック
西神中央、西神ニュータウンの整形外科
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